正直読書

本のこと、日常のこと。司書の勉強中。

2021/6/4日記「名字が変わるということ」

先日、同居するパートナーからの申し入れを受け入れ、「入籍」に向けて動き出すことになった。 プロポーズといっても夜景とか観覧車なんてものはなく、自宅のニトリのソファに腰掛け、YouTubeを見ていたその時だった。 ロマンチックのかけらもないが、今後も…

何度でも読みたい「きりこ」の物語「きりこについて」

きりこについて (角川文庫)作者:西 加奈子発売日: 2011/10/25メディア: 文庫 きりこは、ぶすである。 この堂々たる書きぶり。 「吾輩は猫である」「メロスは激怒した」「It was a dark and stromy night…」に少しも遅れを取らない名文。 しかも、「ぶす」は…

読めば読むほど引き込まれる「その道の先に消える」

その先の道に消える作者:中村文則発売日: 2018/10/05メディア: 単行本不思議な本だ。 読み始めて、「あ、コレは駄目だわ」と思った。 好意を寄せる女性が犯罪に巻き込まれて、刑事の「富樫」が証拠を改竄してまで彼女を救おうとする話。 ドラマや映画なんか…

彼女はきっと柔らかい棘「ハリネズミは空を見上げる」

ハリネズミは月を見上げる作者:あつこ, あさの発売日: 2020/08/19メディア: 単行本(ソフトカバー)主人公の御倉鈴美はおっとりしていて、気の弱い女子校生。 咄嗟に気の利いた行動ができる訳ではないけれど、気が優しい。 何とか「天然ちゃん」のキャラクタ…

図書館で潰れそうになった

まさかこんな事があるとは思わなかった。 図書館業務を頑張りたい、信頼されたい、自分の持てる力を発揮したい。 そんなことを考えながらズンズンと仕事に向かっていた。 コロナ禍で思うように行事が出来ない中、新たなイベントを実施したり、発行物を手掛け…

2021/4/21日記

ここ暫く、本を読んでいない。 同棲を始めておよそ一ヶ月。 仕事や家事に追われ、本当に時間がない。 今この文章を書いているのも、煮物を作っている合間だ。 ほんの2ヶ月前は、頭のなかに色んな言葉が飛び交って、あれを読みたい、これを書きたい、という…

おすすめされた本を読んでみた「怪盗探偵山猫 月下の三猿」

怪盗探偵山猫 月下の三猿作者:神永 学発売日: 2016/09/30メディア: 単行本 Twitterフォロワーさんに教えてもらった本。 神永学の本は「心霊探偵 八雲」以来。相変わらずのスタイリッシュさであった。 ちなみにこの本はシリーズ5作目。 最近は仕事が溜まって…

「夏のレプリカ」の杜萌ちゃんについて思うところ

夏のレプリカ (講談社文庫)作者:森 博嗣発売日: 2000/11/15メディア: 文庫S&Mシリーズのなかでも唯一無二の存在感を放つ杜萌ちゃん。 そんな彼女について思うところを語っていく。 「ままならなさ」に支配される杜萌ちゃん 「夏のレプリカ」は、萌絵ちゃんと…

お題「#この1年の変化」

お題「#この1年の変化」まさに激動の1年だった。 私に起きたことを箇条書きにしてみると、こんな感じになる。・3年間に及ぶパワハラに心が折れ、休職する ・抑うつ状態と診断される ・自宅療養 ・固まってしまった頭を動かすために、読書感想文を書き続け…

三体世界との戦い「三体Ⅱ 黒暗森林 上」

三体Ⅱ 黒暗森林 上作者:劉 慈欣発売日: 2020/06/18メディア: 単行本 延滞回避 前作を読み終えてからはや4ヶ月。oinusamausagisama.hatenablog.com 図書館で予約していた「三体」の続編が届いた。 智子ってなんだっけ?最後どういう結末だったっけ? などと…

森博嗣の手のひらで転がされる「幻惑の死と使徒」

幻惑の死と使途 (講談社文庫)作者:森 博嗣発売日: 2000/11/15メディア: 文庫 曖昧さのなかにある核心 本作の被害者はマジシャン。そして舞台はマジックショー。 イリュージョン中に亡くなった彼は、どうして殺されたのか。 イリュージョンのトリックや、容疑…

「幻惑の死と使徒」と「夏のレプリカ」を交互に読んでみた

幻惑の死と使途 (講談社文庫)作者:森 博嗣発売日: 2000/11/15メディア: 文庫夏のレプリカ (講談社文庫)作者:森 博嗣発売日: 2000/11/15メディア: 文庫 一体なにが起きてしまうのか? 森博嗣のS&Mシリーズ6、7作目。とても斬新な作品である。 「幻惑の死と…

自宅療養の思い出②

oinusamausagisama.hatenablog.com 虹プロジェクト、そしてNiziUとの出会い 自宅療養中の思い出として、コレは絶対に外せない。 初めて私に「推し」が出来た瞬間である。 何気なく見ていたスッキリで特集されていた虹プロ。 最初は見ていて恥ずかしくなって…

名作に挑戦!「Yの悲劇」

Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者:クイーン,エラリイ,利泰, 宇野発売日: 1988/08/01メディア: 文庫 名作=面白い は成り立つのか? お正月にサッと読もうと思い、図書館から借りた一冊。 当然三が日で終わるはずもなく、他の本も読みつつで読み終わるの…

自宅療養の思い出①

職場でパワーハラスメントを受けて体調不良となり、昨年、3ヶ月間の自宅療養を経験した。 あの頃に戻りたいとはまったく思わないが、心身の健康を取り戻すための大事な期間。 当時何をしていたのかを振り返ってみる。 とにかく病院通い 当時の私は心身とも…

シンプルに面白い!「話を聞かない男、地図が読めない女」

文庫版 話を聞かない男、地図が読めない女作者:アラン・ピーズ,バーバラ・ピーズ発売日: 2002/11/01メディア: 文庫 どんな本なのか 性別についての話題は、何かと話が大きくなりがちである。 はじめに、この本がどんな本なのか、そしてこの本に対する私のス…

怪盗クイーンシリーズの感想が書けない

困った・・・ 何作か怪盗クイーンを読み終えたのだが、感想文が書けない。 大好きな作品なのに、大好きな一文もいっぱいあるのに、なぜか文章にできない。由々しき事態だ。 今回はこの問題について考えていく。 どうして書けないのか 正直、怪盗クイーンを読…

色々突っ込みどころのある「封印再度 WHO INSIDE」

封印再度 (講談社文庫)作者:森 博嗣発売日: 2000/03/15メディア: 文庫 終始ハッピーな2人 S&Mシリーズ5作目。 見所は間違いなく、萌絵ちゃんの企てたエイプリルフールの悪戯だ。 諏訪野や周りの大人を巻き込んでまで犀川先生に一泡吹かせたい萌絵ちゃんと、…

Kindle Paperwhite買ってよかったわ

お題「買って良かった2020」 2021年の投稿だが、去年買ったものなので…昨年の7月からKindle Paperwhiteを使い出したのが、本当に買ってよかった。 電子書籍を手にしてから、私の読書ライフは間違いなく充実感がアップしたので、どう良かったのかを紹介した…

ただのパニックホラーではない「月の裏側」

月の裏側 (幻冬舎文庫)作者:恩田 陸発売日: 2002/08/01メディア: 文庫 不思議なホラー エイリアン映画とジャパニーズホラーが融合したような不思議な作品。 気付かない間に人間がエイリアン(のような何か)に取って代わられてしまう。 作中では「盗まれる」…

私が図書館で働くことになった理由⑤そして来年に向けて

oinusamausagisama.hatenablog.com oinusamausagisama.hatenablog.com oinusamausagisama.hatenablog.com oinusamausagisama.hatenablog.comこの記事で最後になります。 長くお付き合いいただきありがとうございました。 職場復帰 3ヶ月の自宅療養を経て、…

私が図書館で働くことになった理由④

図書館で働くまでのお話4話目。

私が図書館で働くことになった理由③

図書館で働くまでの道のり3話目。 重い内容になってます。

私が図書館で働くことになった理由②

私が図書館で働くまでのこと。2話目。実話です。

私が図書館で働くことになった理由①

私が図書館で働くまでのことを振り返ります。結構暗いです。

萌絵ちゃんが成長してる!森博嗣も成長してる!「詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE」

詩的私的ジャック (講談社文庫)作者:森 博嗣発売日: 1999/11/12メディア: 文庫「すべてがFになる」ではピカピカの大学1年生だった萌絵ちゃんが、今作では徹夜で課題に取り組む3年生に。 中国出張中の犀川先生にかわり、途中まで萌絵ちゃん1人で事件に挑む。 …

いくつになっても、赤い夢の住人になれる。「怪盗クイーンはサーカスがお好き」

怪盗クイーンはサーカスがお好き (講談社青い鳥文庫)作者:はやみね かおる発売日: 2002/03/15メディア: 新書はやみねかおる先生の怪盗クイーンシリーズ第一作目。 面白い…。青い鳥文庫からしか刊行されていないのが不思議…。 怪盗クイーンとは、誰よりも強く…

定義すれば、存在する「笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE」

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)作者:森 博嗣発売日: 1999/07/15メディア: 文庫いやぁ〜、面白かった! ミステリーに館はつきものだけど、これはその中でも特にお気に入りだ。 萌絵ちゃんと犀川先生が招待された「三ツ星館」に隠された謎…

肉うどんの肉が冷たかった

今日のランチは、久しぶりにお店で食べることにした。ちなみにいつもはお弁当。毎朝20分程掛けて、簡単なお弁当を用意する。 朝の20分は大きいが、外食をすれば1000円弱が吹っ飛ぶ。それを考えれば少しは安上がりだ。 タイムイズマネーの逆をやっている。 ラ…

はやみねかおる先生は偉大なり(そしてKindle、ありがとう)

今週のお題「感謝したいこと」 はやみねかおる先生の「怪盗クイーン」シリーズをご存知だろうか。怪盗クイーンはサーカスがお好き (講談社青い鳥文庫)作者:はやみね かおる発売日: 2002/03/15メディア: 新書 誰よりも強くて美しい怪盗が、犯行を大胆華麗に成…