正直読書

本のこと、日常のこと。司書の勉強中。

私が図書館で働くことになった理由②

oinusamausagisama.hatenablog.com

この記事の続きになります。
パワーハラスメントの内容多めになりますので、ご注意ください。

配置換えですべてが変わった

少し変わった指導員に慣れてきた2年目。
配置換えがあり、これまでとは少し違う業務を担当することになった。
そこで出会ったのが「奴」だった。


奴というのは、2年にわたって私にパワーハラスメントをした張本人である。
30代前半の女性で、某元女子プロレスラーに似ているのだが、名前も出したくないので、奴という呼称を使うことにする。


奴は、様々な面で有名な人物だった。
仕事ができる。顔が広い。気が強い。人によって態度を使い分ける。
これからよろしくお願いしますと言った私に向かって、奴はこういった。
「私に嫌われたら、仕事できなくなるからね」

案の定うまくいかない

やはり、うまくいかなかった。
奴は仕事ができない人間が嫌いなのだ。そして、自分より歳下の女性が嫌いなのだ。
私はどちらも当てはまっていた。


同じ部署とはいえ、1年目に佐藤の元で取り組んでいた業務とは全く違う。
1から仕事を覚え直す必要があったのと、佐藤から教わっていないルールが多かったため、非常に苦労した。


分からないことを奴に質問しても、逆ギレされて教えてもらえない。
それなのに他の人に質問するとイライラしている。
結局、奴がトイレ休憩等で席を外している間に、他の人にこっそり聞くしかなかった。


同じ担当には、私と奴の他に女性が1名と男性が2名。
女性は産休に入ってしまい、この状況を知らない。
男性は2人とも管理職で、奴のことで私が悩んでいるとは思っていなかったようだ。


奴のミスを私のせいだと押し付けられたこともある。
決裁を回すときも、私のものだけ通されない。
配置換えから2ヶ月ほど経ってから、今私はパワーハラスメントを受けているのではないか、と思うようになった。

体調を崩し始める

体と心は繋がっている。
これまであまり気にしたことはなかったが、パワーハラスメントを受けてから、よく分かるようになった。


今思えば、初めに異変が起こったのは、生理周期だった。
それまでぴったり1ヶ月で続いていて、生理予定日当日に始まっていたのに、予定日を過ぎても生理がこない。
予定日から1週間後、2週間後、とだんだん周期が崩れ、1ヶ月半〜3ヶ月に1回の不定期なものになっていったが、それでも生理は来ていたので、あまり気にしていなかった。


パワーハラスメントを受けている、と実感し始めてから、通勤が辛いものになっていた。


通勤電車を見ると、涙が自然と出てくるようになった。
何か嫌なことを思い出したり、考えたりしているのではない。
心はフラットで、さざめいている訳ではないのに、自然と泣いてしまう。
その涙に動揺して、気持ちが落ち込む。


出勤前に更衣室で涙を拭いてから職場に向かうのだが、あまりにも涙が引かないときはトイレに籠もった。
長時間トイレを占領していると、ノックされてしまう。
そのノックの音がとても怖かった。

パンフレット事件

どういう選考基準だったのかわからないが、職員募集用のパンフレットに私の写真や言葉が掲載されることになった。
どんな仕事をしているのか、職場はどんな雰囲気か、などをインタビュー形式で撮影するものだった。
辛い事が多かったが、パンフレットに載るのは素直に嬉しい。
撮影を心待ちにしている自分がいた。


撮影当日、いつもは泣きながら乗る電車に泣かずに乗れた。
いつもより綺麗な服を着て、化粧もバッチリして、撮影に臨むところだった。


ところが、撮影直前、ちょっとしたミスをしてしまった。
奴に嘲笑された途端、外見を整えた自分が情けなくなってしまった。
撮影に行ってきます、と早めに職場を出て、トイレに籠もって泣いた。
化粧は落ち、汗で服もシワシワ。
その後のインタビューでは、事前に考えてきたセリフを一生懸命口にした。


出来上がったパンフレットには、引き攣った私の顔が大きく載っていたが、仕事に関するセリフは大きく削られていた。
残っていた数少ないセリフの1つは、「ミスをしても、先輩が優しくフォローしてくれます」だった。