正直読書

本のこと、日常のこと。司書の勉強中。

私が図書館で働くことになった理由①


ラッキーなことに、少し前から図書館で働いている。
今年ももう少しということで、それまでの経緯を振り返っていこうと思う。


私が受けたパワーハラスメントについても触れるので、現在なにか辛い思いをしている人や、あまり元気がない人にはダメージになってしまうかもしれない。
それに、私の経験は少し特殊なので、これから図書館で働きたいと思っている人の参考にならないかもしれない。


この記事を書くのは、主に私の心の整理のためだ。
そして、何か新しいことを始める人へ、ささやかなエールとなれば良いと思っている。

そもそも私は何者か

私は地方自治体で働く、いわゆる地方公務員だ。
これまで身バレが怖くて都内付近のOLということにしていたが、まあ関東の地方自治体もたくさんあるし、この際明かしてしまおう。


入庁して配属された先は、子どものいる家庭へ支援を行う部署だった。
忙しい時期は月70時間の残業がついたこともあったが、それ以外は1日1時間ほど残業すれば帰れる、働きやすい部署といえる。
繁忙期でなければ、休みも取りやすい。
部署全体で50名近く所属する、大所帯だった。

変な先輩が指導員だった

私の働く自治体は、指導員制度というものがある。
入庁3,4年目の若手職員が、半年間新採用職員について仕事や社会人としての心構えなどを伝授するのだ。


私の指導員は、佐藤健を20センチ縮めてパンチを3発食らわせたような顔の男だった。
以下、佐藤と呼ぶ。


佐藤は地元で1番偏差値の高い高校に入学したが、本人曰く通学が面倒になったので1年で退学。
その後は適当に遊んで、大学に進学して、卒業後はオートレーサーとして活躍した時期もあるなど、公務員としては異色の経歴の持ち主だった。


佐藤の口癖は「俺の作業量は職員2人分」。
とにかく効率厨で、仕事の早さが自慢。
上司にも平気で口答えするなど、ちょっとしたトラブルメーカーでもあった。


佐藤の姿や、佐藤を見る周囲の目から学んだことはたくさんあったが、佐藤自身から何かを教わった記憶はない。
指導員になる前の研修を受講していなかったようで、「何を教えたら良いのか分かんないんだよね」と良く言われた。

先行き不安…

佐藤の機嫌が悪いときにたまたま質問をしてしまい、敢えて間違ったことを教えられたことがあった。
その知識で行った業務はすべてご破産になり、上司から大目玉を食らった。
「佐藤に教わったんです」の一言が言えない私は、どこか損な性格をしているのだろう。


周りの同期は指導員とご飯に行ったり、ちょっとしたおしゃべりをしたり、仲良くていいな…
そんな思いが積もった結果、「今日就業後に指導員とご飯を食べに行くんだ」という同期のちょっとした一言に泣いてしまったことがある。


もちろん、私以外のみんなが楽しくやっていたわけではないだろう。
だけど、仲の良い同期はみなうまくやっているように見えた。
こういう状況になると、視野が狭くなって、自分の思い込みに合致するようなものばかり見てしまうものだ。


今日は佐藤に怒られないだろうか、佐藤から教わったことは本当だろうか、
そんなことばかり考えていた1年目だった。