正直読書

本のこと、日常のこと。司書の勉強中。

はやみねかおる先生は偉大なり(そしてKindle、ありがとう)

今週のお題「感謝したいこと」


はやみねかおる先生の「怪盗クイーン」シリーズをご存知だろうか。


誰よりも強くて美しい怪盗が、犯行を大胆華麗に成し遂げる物語である。
刊行開始の2002年から18年が経過した2020年12月現在、全14巻が刊行されている。


私はちょうど刊行開始頃から青い鳥文庫の存在を知り、リアルタイムで読んでいた世代だ。
魅力的なキャラクター、綺麗な文章、お洒落なストーリー、美しいイラスト、そして名言の数々。
私の読書の原点は、間違いなくここだ。


怪盗クイーンシリーズは私にとって大切な作品だが、しばらく読むことがなかった。過去の私が、若気の至りという名の過ちを犯したからである。
イケイケドンドンな大学生だった私が、嫌いな教科の参考書や教科書、ノートなどを一切残さず処分したノリのまま、集めていた青い鳥文庫を全て売ってしまったのだ。
もちろんその中には大事な怪盗クイーンの作品も多く含まれていたのだが、過去の私はそれを短編小説1つも買えないような端金に変えてしまった。


それから数年。私は悩んでいた。
怪盗クイーンが読みたい。
でも、手に取ることが出来ない…。


理由は2つある。
1つ目は単純にスペースの問題。
もともと読み応えのある作品だが、青い鳥文庫特有の総ルビと素敵な挿絵により、ボリュームがアップな感じである。


2つ目は私の尊大な羞恥心の問題だ。
これは本当に私の悪いところで、表紙のイラストが人物絵だと、恥ずかしさを感じて手に取れないことがある。
同じ理由で、舞城王太郎の「ディスコ探偵水曜日」も読めない。


書店の青い鳥文庫のコーナーも、場所を把握してはいるのだが、実際に足を踏み入れるのは躊躇してしまう。


2つ目の理由については気にすんな!と言われれば「ア…ソウッスネ…」としか言いようがないのだが、現に私は怪盗クイーンを手に取ることができなかった。




そう、Kindleを買うまではね。


今週のお題は「感謝したいこと」だそうだ。
まずはKindle
人目とスペースを気にせず、好きなように読書をさせてくれてありがとう。
おかげで怪盗クイーンシリーズを全巻揃えることができた。
(児童書を大人買いするって最高…)


そしてありがとうはやみねかおる先生。
クイーンを生み出してくれて、今でも新作を出してくれて、本の魅力に気付かせてくれてありがとう。


元は小学校の教員だったが、生徒たちに本を読ませたくて自分で小説を書いてしまったのが始まりだそう。
志と文章力のなんと高いことか。


これからも赤い夢を見させてください…どうか…


本の感想は、またこんど。